こんにちは。
技能実習制度はとても煩雑で、重要な情報が中々探し辛い問題があります。
実際に海外から「技能実習生」を受入れる時は、計画認定を受ける前に雇用契約書を交わす必要があります
良くある悩みとして・・・・
- 技能実習生の給与は時間給? それとも月給制??
- 給与以外の福利厚生費の扱いは??
今回の記事は、良くある質問で生徒たちへの「給与」等について監理団体の視点にてお話しをしていきたいと思います。
技能実習生の給与
実際に雇用を行う「技能実習生」の選考と面談を終えた後、技能実習制度の管理監督元である「技能実習機構」より計画認定を受ける必要があります。
申請書類の中で、雇用予定の実習生の給与支払額に対して審査を受ける必要があります。
技能実習生の給与は時間給? それとも月給制?? その額面は?
技能実習生の給与について、「時間給」及び「月給制」の選択の問題ですが、コチラはどちらを選択して頂いても問題ありません。余談として、農業や建設関連など雨天で作業中止になる業務の場合は、「月給制」は実習生の仕事に対するモチベ-ションの向上に繋がります。
要の「給与」の額についてですが、特に各都道府県の最低賃金を下回らない限り特に規定はありません。
もちろん給与は高いに越した事はありませんが、日本人社員及びパート社員の給与とバランスを取る必要があります。
日本語習熟度と業務スキルを日本人労働者と平等に評価を行い、給与額を決定するケースも多いです。
注意する部分として・・ 私たち日本人にとっては掃除をする為に始業前に少し早い目に出社をする... この様な就労習慣が普通にありますが、技能実習生たちの国ではその様な習慣が無く思わぬトラブルに発展したケースもあります。
雇用契約を行う前に、事前に彼らへ伝えて承諾を貰う必要があります。
給与以外の福利厚生費
技能実習生は元々日本に生活基盤が無く、そもそも海外に一度も行った事がないパタ-ンがほぼ全てなので、生活に必要なインフラをコチラで揃える必要があります。
例えば・・・・
- 住居
- 家電や寝具
- インタ-ネットやガジェット
- 移動手段
上記が主になります。
技能実習生を受入れて育てていこうと熱い思いを持たれている経営者の方も多く、上記の品物については会社側で全てを新調して費用負担をしようという動きも良くあります。
ただ、残念ながらコレには落とし穴もあります。
税法上、上記を全て無償にて与えてしまうと「みなし給与」となってしまい、技能実習生たちに対して所得税の徴収対象となってしまいます。
故に、実費(社会通念上の範囲で)のみ給与から天引きを行う必要が出てきます。
一部の報道で、こちらの費用天引きが「奴隷」として搾取をしているのではないか!? と言う疑問が上がっておりますが、実は税法上の問題であります。
概念として、あくまでも日本人スタッフと平等・公平に扱う必要があります。
技能実習生の出身国の給与水準
今からご紹介するのは、私の法人が技能実習生を受入れを行っている「インドネシア共和国」の給与水準となります
日本でほぼこの様な情報はなく、コチラは私がインドネシアで実際に事業を営み、若者を雇用した経験からお知らせ致します。
給与の額
今、労働力不足が深刻な問題になっている日本へ、既に沢山のインドネシアからの”労働者”や”インターン生”としてインドネシアから若者が日本に移住しております
一体、彼・彼女たちが、もし日本に来ないで祖国である「インドネシア共和国」で就労するならば、給料はいくら支給されるのか?? これは私たち日本人にとっても気になる事でもありますね。
直近の情報ソースとして、インドネシアの大手ニュース会社である「kompas社」の記事引用となります。
ちなみに「kompas社」はTV局や新聞の発行も行なっており、日本で言えば毎日新聞とか読売放送のイメージでしょうか
情報ソースによるとアチラの最低賃金は(月給ベース)・・・・
- ジャカルタ特別州(東京23区みたいな) 3.6万円
- ジョグジャカルタ市(遺跡で有名) 1.4万円
- バリ島(日本人移住者が多い) 1.8万円
- 東ジャワ地域(バリ島への出稼ぎ労働者が多い) 1.5万円. …etc
番外として・・ 数年前ですがバリ島のクタ地区(有名なサーフポイント)のスターバックスの店員さんのアルバイト時間給で80円程度でした
以上が2021年の実績の様です。
ソースこちら

実際の手取りは??
上記のデ-タだけを見ると、日本と比較して非常に賃金が低いと思います。
ところが・・・
実は・・・インドネシアの実際の「給料」はもっと高いです!
インドネシアはこの「賃金」に、(食費)・(医療費)・(交通費)・(下宿代)・(宗教関連費)、それと業績が好調な時は(ボーナス)も発生するので、実際の彼ら彼女たちの「手取り」は上記の最低賃金から2~3倍になります。
これはあまり知られていません。
日本にやってくる外国人労働者で一番多い「ベトナム」からやってくる若者であれば、都心部でだいたい3万円/月と言われていますので、インドネシアの見掛けの賃金は「ベトナム」より低く感じますが、実際の「給料」はその国同士の経済規模と同じ位の差が付いています。
これはあくまでも一般的なお話しで、インドネシアでも、ジャカルタ等の都市部でオフィスでマネ-ジメント業務に携わっている華僑族の職員は、私たち日本人でもビックリする様な高給を得ているケースもあります。
特にIT関連の職種は日本人以上の給料を得ているケースが多いです。
経済格差は日本よりかなり大きいと思って頂いても良いと思います。
まとめ
「技能実習生」の受入れにあたり、「給与」などの待遇面でお悩みの日本の事業者の方は実際にかなり多いです。
上記の給与以外の手当の実態を知ってしまうと、海外からの技能実習生の受入れに費用面から躊躇してしまうのも当然です。
残念ながら、「留学制度」と並び「技能実習制度」は当初の趣旨から大きく離れ、悪徳人材ブロ-カ-が横行しているベトナムでは技能習得ではなく、単なる「出稼ぎ」目的となっているケースもあり、雇用側と被雇用側が賃金面でトラブルとなるケースも散見されます
ただ、「技能実習制度」はあくまでも技術移転の制度であり、私が関わっているインドネシアの訓練施設の若者たちは「学ぶ」そして「経験」を欲しているのも事実です。
故に、都道府県の最低賃金からスタ-トで特に問題はありません。
気を付けて頂きたい事として、彼らのスキルアップ・日本語力アップが為さられれば客観的かつ公平に待遇の評価をして下さい。
